日曜の午後、飛行場へと続くハイウェイ。
僕は車を走らせていた。
ナビシートに君は居ない…。
規則的なロードノイズとFMラジオのDJの楽しげな声が車内に虚しく響いていた。
僕は何時の頃からか君の心の内を気遣う事もせず、君の苦しみを感じる事なく、
唯君の優しさに甘えているだけだった。
一緒に居る事だけが幸せだと思い込んでいて君と永遠に歩んで行けると信じていた。
君との別れ…
僕はサービスエリアに車を停め人目も憚らず泣いた。
その時ラジオから歌が流れ始め僕は思わず引き込まれる様に耳を傾けた。
僕に足りなかったモノ、君と真剣に向き合う事・君を気遣う心。
今更ながら気付いたんだ。
歌の中の二人は永遠の幸福を掴むだろう。
いや必ず掴んで欲しい。
また涙が溢れ出した。
歌が終わりDJがタイトルを告げる、
「ワンダーランド…」
二つに別れた道が再びクロスする事はないだろう。
それでも君が君のWonderlandに必ず辿り着ける事を祈りたいと思うし、
僕も僕のWonderlandに必ず辿り着きたいと思う。
Let's go now !!
僕は車を再び走らせ始めた。
(了)
今木 洛
ONE LIFE
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